ITストラテジスト 過去問解説 令和4年度春季【 午後1】
すべての解答と解説作成いたしました。今年は解説までつけるのが大変遅くなってしましました。もう試験など忘れてゴールデンウィークを楽しんでいる方が大半かと思いますが、密かにアップしています。
不明点や間違いあればコメント頂けると助かります。twitterでもどうぞ。
総評
問1 | バズワードにもなっているデジタルトランスフォーメーションに関する出題 ほぼ国語の問題。特に迷うこともないと思います。簡単なので解説もつけていません。 難易度 易 |
問2 | 情報システムの戦略策定 問題文中をしっかり読みながら、自分で解答を組み上げる必要がありITストラテジストらしい設問でした。 難易度 やや難 |
問3 | ECサイトのIT活用推進 知識問題などは特になく素直に問題文に沿って行けば、合格ラインにはたどり着けると思います。 難易度 普通 |
- 1. ITストラテジスト試験 問1 国際物流会社におけるデジタルトランスフォーメーション
- 1.1. 設問1 設問1 [A 社のサービスの課題]について, A 社は課題を解決することによって,どのように事業を成長させようと考えたか,35 字以内で述べよ。
- 1.2. 設問2 [A 社の DX 推進]の4越境 EC システムの再構築について, (1), (2)に答えよ。
- 1.2.1. (1)小さなカスタマイズ要望が大きな開発につながる現状の越境 ECシステムの仕組み上の原因について, 35 字以内で述べよ。
- 1.2.2. (2)越境 EC システムの再構築によって,A社サービスのどのような課題を解決できるか,30字以内で述べよ。
- 1.3. 設問3[A 社の DX 推進]の2マーケティング活動の支援について, A 社がAPIエコノミーの活用を具体的に進めることによって, A 社の顧客が得られるメリットは何か,25字以内で述べよ。
- 1.4. 設問4 [A社の DX 推進]の3保税倉庫の活用を可能にするサービスの提供について,(1), (2)に答えよ。
- 1.4.1. (1)消費者の満足度の向上のために,保税倉庫を活用した配送が不可欠だと A社が考えた理由について,30 字以内で述べよ。
- 1.4.2. (2)需要予測の情報を用いて,A社の顧客はどのように在庫管理を行うことができると考えたか,具体的に二つ挙げ,それぞれ 30 字以内で述べよ。
- 2. ITストラテジスト試験 問2 製造業の情報システム戦略の策定
- 2.1. 設問1 [M社システムと情報システム戦略の策定]について,業績の確実性を高めるために策定する情報システム戦略の対象となる事業リスクのうち、サプライチェーンに起因する事業リスクと、仕入先と顧客に起因する事業リスクについて,それぞれ20字以内で具体的に述べよ
- 3. 設問2 [SC 基盤の新規開発]について,(1), (2) に答えよ。
- 3.1.1. (1)SC基盤を新たに構築する目的には、資材のトレーサビリティの確保や偽装防止に加えて何があるか,30字以内で述べよ。
- 3.1.2. (2)SC基盤の開発でBCシステムを活用し資材のトレーサビリティ確保や偽装防止をする理由は何か,35 字以内で述べよ。
- 3.1. 設問3 [購買システムの改修]でのサプライチェーンの組替えの提案機能について, (1), (2)に答えよ。
- 3.1.1. (1)提案機能を開発する狙いは何か,25字以内で述べよ。
- 3.1.2. (2)サプライチェーンマトリクスの作成は,もともとの M 社グループの仕入れにおけるどのような特徴を考慮したものか,その特徴を30字以内で述べよ。
- 3.2. 設問4 [レポートシステムの新規開発]について,(1), (2)に答えよ。
- 3.2.1. (1)工場システム,財務システム, 人事システムに追加開発する連携機能で取り扱うデータはどのようなものか,25字以内で述べよ。
- 3.2.1.1. 従来のサステナビリティレポートに必要な情報
- 3.2.1.2. 見直し後のサステナビリティレポートに必要な情報
- 3.2.2. (2)レポートシステムの機能と,他の各システムに追加開発する連携機能によって、解決できる問題点は何か,25字以内で述べよ。
- 4. ITストラテジスト試験 問3 スーパーマーケットにおけるITを活用した事業拡大
- 4.1. 設問1 [店舗運営ノウハウの活用によるEC産直コーナーの強化]
- 4.1.1. (1)EC産直コーナーにおいて顧客に商品を訴求するために店舗運営におけるどのようなノウハウを活用しようとしたか, 30字以内で述べよ。
- 4.1.2. (2)店長が積極的に施策に加わるように取り入れた仕組みは具体的にどのようなものか,35字以内で述べよ。
- 4.1.3. (3)生産者がモバイル端末で情報を受け渡すことによる生産者の利点を,機会損失の観点から25字以内で述べよ
- 4.2. 設問2 [会員データの一元管理によるダイレクトマーケティングの強化]について,(1), (2)に答えよ。
- 4.2.1. (1)店舗購買管理システムと EC 購買管理システムを統合することで解決しようとした問題点は何か,40字以内で述べよ
- 4.2.2. (2)生産者の商品の中で顧客が好みそうな商品をマッチングさせるために購買履歴と組み合わせて活用する生産者管理システムのデータを二つ答えよ。
- 4.3. 設問3 [動画配信によるラーニングシステムの構築]について, (1)~(3)に答えよ。
- 4.3.1. (1)動画ラーニングシステムで取得し,人事システムで新規に管理する店長の評価データを二つ答えよ。
- 4.3.2. (2)動画に時間制限を設けた上で検索機能を充実させる狙いは何か, 20 字以内で述べよ。
- 4.3.3. (3)動画を投稿した店長を評価する仕組みを新たに取り入れたことは,どのような懸念への対応であるか,25字以内で述べよ。
- 5. ITストラテジスト試験 問4 AIを利用した気象予報システム
- 5.1. 設問1 [システムの開発方針]と[事業戦略の策定]について,(1)~(3)に答えよ。
- 5.2. (1) E氏が,局地気象予測システムの実効性を確認する必要があると考えた技術面の目的を,30字以内で述べよ。
- 5.2.1. (2)E氏は気象測器の設置において, 通信手段をどのようにして確保すると考えたか,30 字以内で述べよ。
- 5.2.2. (3)E氏は, F氏に依頼した法制度に関する調査結果を受け,組織体制面でどのような対策を考えたか, 25 字以内で述べよ。
- 5.3. 設問2 [市場展開の検討]について,(1), (2)に答えよ。
- 5.3.1. (1)E氏が,Z社に予備器を追加した製品価格と,製品修理だけの保守契約の見積りを再度依頼したのは,予備器の保有及び保守交換作業をどのようにする生まことを見込んだ結果か,25字以内で述べよ。
- 5.3.2. (2)E氏が,都市部に気象測器を高密度で多数設置する段階では,情報更新の頻度が多い GISの地図データを扱う企業と提携する必要があると考えた理由を,40字以内で述べよ。
- 5.4. 設問3 [事業戦略の策定]について,(1), (2)に答えよ。
- 5.4.1. (1)E氏が,市場開拓を D 社の役割としたのは, D 社のどのような特徴を考慮した結果か,15字以内で述べよ。また,市場のどのような状況を考慮した結果か,35字以内で述べよ。
- 5.4.2. (2)E氏が,局地気象予測システムに外部の情報システムと情報連携を図る機能を追加すべきと考えたのは、どのような社会的な要求に応えるためか, 40字以内で述べよ。
ITストラテジスト試験 問1 国際物流会社におけるデジタルトランスフォーメーション
設問1 設問1 [A 社のサービスの課題]について, A 社は課題を解決することによって,どのように事業を成長させようと考えたか,35 字以内で述べよ。
解答
越境ECサービスの利用料だけでなく、物流サービスの提供料を伸ばす
解説
設問2 [A 社の DX 推進]の4越境 EC システムの再構築について, (1), (2)に答えよ。
(1)小さなカスタマイズ要望が大きな開発につながる現状の越境 ECシステムの仕組み上の原因について, 35 字以内で述べよ。
解答
各機能が密結合で連携するシステム構成となっているため
解説
(2)越境 EC システムの再構築によって,A社サービスのどのような課題を解決できるか,30字以内で述べよ。
解答
顧客からの個別のカスタマイズ要望に対応する
解説
設問3[A 社の DX 推進]の2マーケティング活動の支援について, A 社がAPIエコノミーの活用を具体的に進めることによって, A 社の顧客が得られるメリットは何か,25字以内で述べよ。
解答
(SNS経由の)消費者からの注文を獲得しやすくなる
設問4 [A社の DX 推進]の3保税倉庫の活用を可能にするサービスの提供について,(1), (2)に答えよ。
(1)消費者の満足度の向上のために,保税倉庫を活用した配送が不可欠だと A社が考えた理由について,30 字以内で述べよ。
解答
リードタイムを短縮し送料負担を軽減できるため
解説
(2)需要予測の情報を用いて,A社の顧客はどのように在庫管理を行うことができると考えたか,具体的に二つ挙げ,それぞれ 30 字以内で述べよ。
解答
- 売れ筋商品の在庫を補充するロットとタイミングを判断する
- イベントを実施する際に必要な在庫量を事前に確保する
解説
ITストラテジスト試験 問2 製造業の情報システム戦略の策定
設問1 [M社システムと情報システム戦略の策定]について,業績の確実性を高めるために策定する情報システム戦略の対象となる事業リスクのうち、サプライチェーンに起因する事業リスクと、仕入先と顧客に起因する事業リスクについて,それぞれ20字以内で具体的に述べよ
解答
サプライチェーンに関する事業リスク | 資材が不足して製品製造が遅延するリスク |
仕入れ先と顧客に関する事業リスク | 顧客からの取引停止や風評被害のリスク |
解説
事業リスクは[M社の状況]に記載されています。
サプライチェーンに関しては「気候変動や風水害など」が原因で、「製品製造が遅延する」ことが事業リスクとなります。
仕入れ先と顧客に関するリスクについても同じ考え方で「工場などでの強制労働や人権侵害などの問題」が原因で、「顧客からの取引停止や風評被害」による業績への事業リスクがあります。
設問2 [SC 基盤の新規開発]について,(1), (2) に答えよ。
(1)SC基盤を新たに構築する目的には、資材のトレーサビリティの確保や偽装防止に加えて何があるか,30字以内で述べよ。
解答
サプライチェーン全体でEGSに取り組めるようにする
(公式解答:サステナビリティレポートの信頼性を確保するため)
解説
[SC基板の新規開発]にESGへの取組が記載されています。
(2)SC基盤の開発でBCシステムを活用し資材のトレーサビリティ確保や偽装防止をする理由は何か,35 字以内で述べよ。
解答
データの真正性を維持し、改ざんなどが行われないようにするため
解説
設問の意図が分かりづらいですが「なぜブロックチェーンを使うのか」と読み替えることができます。
よって、SC基板の開発背景などではなくブロックチェーン導入によるメリットを問う知識問題と思われます。
設問3 [購買システムの改修]でのサプライチェーンの組替えの提案機能について, (1), (2)に答えよ。
(1)提案機能を開発する狙いは何か,25字以内で述べよ。
解答
資材の供給が停滞するリスクへの対策のため
資材供給停滞リスクを低減し資材を仕入れるため など
解説
組開け提案機能をいつ使うかは、直前に記載があります。「特定の事業者からの供給が停滞するリスクが検知された場合」ですね。
これが開発の狙いです。
(2)サプライチェーンマトリクスの作成は,もともとの M 社グループの仕入れにおけるどのような特徴を考慮したものか,その特徴を30字以内で述べよ。
解答
多くの部品が必要であり、長く複雑なサプライチェーンという特徴
解説
M社のサプライチェーンについて記述されていた部分を確認します。これは[仕入れの問題点]部分にM社のサプライチェーンに関して記述されています。
この部分をうまくまとめれば解答となります。
設問4 [レポートシステムの新規開発]について,(1), (2)に答えよ。
(1)工場システム,財務システム, 人事システムに追加開発する連携機能で取り扱うデータはどのようなものか,25字以内で述べよ。
解答
手作業で集計していた情報とESGの観点で必要な情報
解説
サステナビリティレポートに必要なデータという観点では2つポイントがあります。それは「従来のサステナビリティレポート」と「見直し後のサステナビリティレポート」です。
従来のサステナビリティレポートに必要な情報
これは[サステナビリティの取組における問題点]に記述があります。一部のデータは手作業で集計されており、作業時間や精度に課題があることが記述されています。
見直し後のサステナビリティレポートに必要な情報
問題はこちら。[ESG経営の取組]に下記の記述があります。
必要な情報は具体的には下記の通りです。
- 炭素排出量・削減目標
- 炭素排出量・削減目標、M社と仕入れ先の人権・労働安全情報
- 内部統制インシデント
これらの情報は工場システム・人事システムに入っていそうということでESG観点でのデータも解答に含めております
(そんな記述は見当たりませんでしたが、公式解答で「そこに気付いて欲しかった」とか言われるやつかなと推測)
(2)レポートシステムの機能と,他の各システムに追加開発する連携機能によって、解決できる問題点は何か,25字以内で述べよ。
解答
手作業で集計に時間がかかり精度が一定でないこと
ITストラテジスト試験 問3 スーパーマーケットにおけるITを活用した事業拡大
設問1 [店舗運営ノウハウの活用によるEC産直コーナーの強化]
(1)EC産直コーナーにおいて顧客に商品を訴求するために店舗運営におけるどのようなノウハウを活用しようとしたか, 30字以内で述べよ。
解答
生産者から商品への思いや生産方法を発信し顧客の共感を得ること
解説
[B社の課題](1)店舗運営と課題 の第一段落に記載
(2)店長が積極的に施策に加わるように取り入れた仕組みは具体的にどのようなものか,35字以内で述べよ。
解答
ECサイトの産直コーナーの売上は店舗のものとする
解説
店長がECサイトの産直コーナー支援に積極的でない理由は一つだけ記述されています。
この懸念を払しょくすることが、店長が積極的に施策に加わるようにすることができます。
他に関連する記述はなく、唐突感はありますが。
(3)生産者がモバイル端末で情報を受け渡すことによる生産者の利点を,機会損失の観点から25字以内で述べよ
解答
欠品状態を把握・解消することで、販売につなげる
解説
『機会損失』という単語がそのまま使われているのが[B社の状況](2)ECサイトと課題 のECサイト産直コーナーの商品数量設定の部分です。
ここで、EC産直コーナーの商品数量設定は少なめに設定されていることや情報連携のタイムラグに関して記述されています。
設問2 [会員データの一元管理によるダイレクトマーケティングの強化]について,(1), (2)に答えよ。
(1)店舗購買管理システムと EC 購買管理システムを統合することで解決しようとした問題点は何か,40字以内で述べよ
解答
すでに店舗で購入済みの商品をECサイトでお勧め表示してしまうこと
解説
会員管理について記述されている箇所は多くないので、[B社の状況]から会員管理に関する問題点を確認します。
[B社の状況](2)ECサイトと課題 の最後に会員管理が別々であることが記述されており、併せて問題点も記述されています。
(2)生産者の商品の中で顧客が好みそうな商品をマッチングさせるために購買履歴と組み合わせて活用する生産者管理システムのデータを二つ答えよ。
解答
- 生産者の情報
- 商品ごとの特徴
解説
生産者管理システムが保有しているデータについてはほとんど記述されていません。
[店舗運営ノウハウの活用によるEC産直コーナーの強化]には「生産者の情報」「商品ごとの特徴」「購買履歴」のみ記載されているので、購買履歴以外のデータを解答としています。
設問3 [動画配信によるラーニングシステムの構築]について, (1)~(3)に答えよ。
(1)動画ラーニングシステムで取得し,人事システムで新規に管理する店長の評価データを二つ答えよ。
解答
- いいね数
- 動画再生数
(2)動画に時間制限を設けた上で検索機能を充実させる狙いは何か, 20 字以内で述べよ。
解答
短時間で効果的に学べるようにするため
解説
元々何を狙いとしていたかは、動画ラーニングシステムを導入しようとした背景まで遡って確認します。
[B社の現状]に狙いが記載されています。
時間制限をかけなければならない制約ではないですが、短時間の動画にまとめることが効果的な学習につながるという事ですね。
(3)動画を投稿した店長を評価する仕組みを新たに取り入れたことは,どのような懸念への対応であるか,25字以内で述べよ。
解答
各店長が動画投稿に消極的になり動画投稿されない懸念
解説
「動画投稿した店長を評価する仕組み」が目指す状態が実現しないこと・反対の状態が懸念事項になります。
この新たな仕組みで目指しているのは『店長が積極的に動画を投稿する事』ですね。
なので懸念事項はその逆の状態になることです。
ITストラテジスト試験 問4 AIを利用した気象予報システム
設問1 [システムの開発方針]と[事業戦略の策定]について,(1)~(3)に答えよ。
(1) E氏が,局地気象予測システムの実効性を確認する必要があると考えた技術面の目的を,30字以内で述べよ。
解答
解説
(2)E氏は気象測器の設置において, 通信手段をどのようにして確保すると考えたか,30 字以内で述べよ。
解答
解説
(3)E氏は, F氏に依頼した法制度に関する調査結果を受け,組織体制面でどのような対策を考えたか, 25 字以内で述べよ。
解答
解説
設問2 [市場展開の検討]について,(1), (2)に答えよ。
(1)E氏が,Z社に予備器を追加した製品価格と,製品修理だけの保守契約の見積りを再度依頼したのは,予備器の保有及び保守交換作業をどのようにする生まことを見込んだ結果か,25字以内で述べよ。
解答
解説
(2)E氏が,都市部に気象測器を高密度で多数設置する段階では,情報更新の頻度が多い GISの地図データを扱う企業と提携する必要があると考えた理由を,40字以内で述べよ。
解答
解説
設問3 [事業戦略の策定]について,(1), (2)に答えよ。
(1)E氏が,市場開拓を D 社の役割としたのは, D 社のどのような特徴を考慮した結果か,15字以内で述べよ。また,市場のどのような状況を考慮した結果か,35字以内で述べよ。
解答
解説
(2)E氏が,局地気象予測システムに外部の情報システムと情報連携を図る機能を追加すべきと考えたのは、どのような社会的な要求に応えるためか, 40字以内で述べよ。
解答
解説