【過去問解説】プロジェクトマネージャ 令和5年度【午後1問2】

目次

問2

設問1 [予測型開発アプローチに関するT課長の課題認識]の本文中の下線①について,どのようなプロジェクトマネジメントに関する課題を抱えることになるのか。35字以内で答えよ。

解答

要件や契約変更が頻繁に発生し、顧客価値向上につなげられないという課題

解説

「したがって」以降は前段の説明内容と同じことを指しています。

記載されている内容は『変化の激しい事業環境の中で顧客が求める価値も変化し、要件や契約変更が頻発する』という内容です。

予測型アプローチではこれに対応できないことが課題になります。

設問2 [協力会社政策に関するT課長の課題認識] の本文中の下線②について, 既に対応困難な状況とはどのような状況か。 35字以内で答えよ。

解答

S社が契約した納期までに完成責任を果たすのが困難な状況

解説

S社が再委託で発注を行っても、再委託先が完成責任を果たせない場合にはS社も当然委託元に対する完成責任を果たせないことになります。

再委託先に問題があっても「S社と委託元」の間の契約には関係がありませんので、再委託のリスクはS社が負うことになります。

設問3 [パートナーシップに関する協力会社の意見] の本文中の下線③について, T課長は, “共同探求” の語を入れることによって A 社にどのようなメッセージを伝えようとしたのか。 20字以内で答えよ。

解答

対等な共創関係となることを期待している

解説

T課長が共創関係の構築で何を期待していたかを探す設問です。

これはP.8の[協力会社政策に関するT課長の課題認識]に記載があります。

発注者の優越的立場が悪影響を及ぼさないようにしっかり意識して行動することによって, 顧客とS社, S社と協力会社とのパートナーシップは, 顧客価値の創出という目標に向かってより良い対等な共創関係となることが期待できる。 そこで,顧客とS社との間に先立ち, S社と協力会社との間でイコールパートナーシップ (以下, EPS という)の実現を目指すことを上司の役員と購買部門に提案し,了解を得た。

より良い対等な共創関係となることを期待していることがわかります。A社にもこのメッセージを伝えたかったことが読み取れますね。

設問4 [T課長がA社と探求する EPS]について答えよ。

(1) 本文中の下線④のあることとは何か。30字以内で答えよ。

解答

発注者の優越的立場が悪影響を及ぼさないようにすること

解説

下線④の直前に記載されている「発注者の立場で」という単語がヒントになります。

同じ表現をしている箇所がP.8の[協力会社政策に関するT課長の課題認識]にあります。

リスクが顕在化することによっ て協調関係が乱れてしまうのは、これまでのパートナーシップにおいて、発注者の優越的立場が受託者に及ぼす影響に関する認識が発注者に不足しているからではないか、と考えた。このことを踏まえ, 発注者の優越的立場が悪影響を及ぼさないようにしっ かり意識して行動することによって・・・

(2) 両社はリスクのマネジメントを共同で行うことによって, どのようなリスクマネジメント上の効果を得ようと考えたのか。 25字以内で具体的に答えよ。

解答

リスクの顕在化を検知し迅速に伝達する効果

解説

「リスク」という文言は、「リスク顕在化の遅れ」に関する文脈でしか表現されていません。なのでこれに対するリスクマネジメント効果を解答とします。

(3) 本文中のa~dに入れる適切な字句を答えよ。

解答

aOODA
b回復力
c成果完成
dインセンティブ・フィー

(4) 両社は改正民法で準委任契約に新設された類型を適用したり,今後は CPIF契約の採用を検討したりすることで, A 社のプロジェクトチームに,顧客価値の変化に対応するためのどのような効果を生じさせようと考えたのか。25字以内で答えよ。

解答

顧客満足を追求しモチベーションを上げる

解説

「なぜ従来通りの準委任契約にしなかったのか」を問う設問であることをまず汲み取ります。

従来型の準委任契約では課題があったことは問題文中で記載されています。

・S社と請負契約で契約することで計画力や遂行力がつき, 生産性を向上させるモチベーションが上がった。 S 社以外との間で行っている業務の履行割合に応じて支払を受ける準委任契約においても善管注意義務はあるし, 顧客満足の追求はもちろん行うのだが,請負契約に比べると, モチベーションが下がりがちである。

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